NPO法人 日本健康住宅協会 トップページへ 地図・連絡先 入会案内 お問い合わせ サイトマップ
 
協会だより
更新日:2011年9月26日
  ◇ 9月のおたより  ◇
 

 8月下旬にマリアナ諸島近海で発生した台風12号は発達しながらゆっくりと北上し、大型(強風半径500q以上)で強い(風速33m/s以上)台風の勢力を保ったまま9月3日に高知県東部に上陸し、2日がかりで四国、中国地方を北上して日本海に抜け、5日午後に温帯低気圧になりました。

 この台風の特徴は大型で動きが遅かったために長時間にわたって台風周辺の湿った空気が流れ込み、西日本から北日本にかけて山沿いを中心に広い範囲で想像を絶する記録的な大雨となり、8月30日17時からの総降水量は紀伊半島を中心に1,000mmを超え、奈良県上北山の72時間降水量は国内観測記録を塗り替え、北海道から四国地方にかけての多くの地点で観測史上1位が更新されました。

 台風12号の被害で新たに注目されたのは大量の降水により紀伊半島の山間部で発生した深層崩壊と呼ばれる大規模な土砂崩れで、住まいとともに道路やライフラインを押し流し、直接的な破壊だけでなくその奥の村落へのアクセスを遮断して孤立化させました。また、谷を埋めた土砂は川をせき止めて大きな土砂ダムを形成し、奈良・和歌山県では5か所の土砂ダムが今後の降雨で決壊し土石流発生の恐れがあるとして水抜きの検討とともに水位観測体制が強化されました。

 熊野川下流の新宮市では、川の氾濫で発生した同市の浸水被害は上流の発電用ダムの管理者が治水に顧慮せず専ら水位維持のための放流を行ったのが原因と非難する意見が新聞記事になっていましたがダムの機能と運営について一石を投じています。
 地球温暖化で今後一層気象の不安定さが増すと考えられるので、自然現象の変化に対するより多くの知見と正しい理解が求められます。
 設備やシステムなどの新設計画では、費用対効果を比較したコストパフォーマンスで可否を判断するのが一般的ですが、従来は発生確率が低いとして無視した要因も、自然や新しい大規模なプロジェクトを対象とする場合は想定を超える事態も考慮して判断するリスクマネージメントの視点が欠かせないことになるでしょう。


 さて、KJKでは本ホームページでも紹介しているように8月から室内空気質配慮住宅認証制度と、セミナー講師派遣制度をスタートさせ皆様のご活用を待っています。健康住宅をわかりやすく説明するビジュアルな仕掛けを組みこんだ販促にも有用なツールです。

 10月19日はKJKが提唱し、一般の方にも認識していただきたい「住育の日」です。今年の「住育の日」のイベントは「webセミナ−」のYouTube配信と本ホームページへのアップを計画し、現在準備を進めています。近日中に公開予定ですのでご期待ください。

日本健康住宅協会 吉田佐門
 
<協会だより>
BACK NUMBER