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協会だより
更新日:2014年8月12日
◇ 8月のおたより  ◇
 
 先日の台風11号は全国的に大雨の被害をもたらしましたが、皆様のところは如何でしたでしょうか? さて今月は有機野菜(オーガニック野菜)を取り上げて見たいと思います。


有機野菜とは

 有機野菜(有機農産物)は、「有機栽培された農産物」のことを指します。
 この有機農産物は、農林水産省が1992年に定めた「有機農産物及び特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」に沿って栽培された野菜のことです。
 ガイドラインの内容は「化学的に合成された肥料及び農薬を避けることを基本として、播種または植付け前2年以上(多年生作物にあっては、最初の収穫前3年前)の間、堆肥等による土づくりを行ったほ場において生産された農産物」と定義されています。つまり、「化学肥料や化学農薬を避け、収穫の3年以上前から堆肥(たいひ)を使って作った畑で栽培した野菜」ということです。
 堆肥(たいひ)とは、有機物を微生物によって完全に分解した肥料のことです。 有機野菜とは「化学薬品を使っていない畑で、化学肥料と化学農薬を使わないで作った野菜」ということです。


有機野菜の審査基準

 1992年のガイドライン策定時は、上記の有機野菜でないものを「有機減農薬栽培」と表示して紛らわしく販売していることも多かったのです。
 しかし、2000年にそれをしっかりと区別するため、農林水産省の登録を受けた機関による「有機JASの格付け審査」に合格した野菜しか「有機野菜」と言ってはいけなくなりました。現在では、すべての有機野菜(オーガニック野菜)に「有機JASマーク」の表示が義務付けられています。


有機野菜のメリットは

・味が良い
 有機野菜の味は一般の野菜と比較して、その違いが明らかにわかるほど、甘くてみずみずしさがあります。野菜が本来の濃い味わいをもっているので、そのまま食べても美味しく感じられます。

・栄養価が高く健康的
 通常の野菜と比較して、有機野菜は栄養価が高く、「抗酸化物質」が多く含まれています。この理由として、有機野菜は原則的に農薬を使用しないで栽培するので、野菜自身が害虫や病気から身を守る為に、抗酸化物質を多く作ると考えられています。有機栽培された野菜は、通常の野菜と比較してフェノール系抗酸化物質を65%も多く含むという研究結果も出ています。
 「抗酸化物質」には、「老化」や「疾病」の原因と言われる体内の活性酸素を除去する働きがあります。つまり、有機野菜を食べることで老化や疾病に対して効果があるということです。

・農薬が少なく安全性が保障されている
 有機野菜は「3年以上農薬を使わない畑で作った野菜」ですが、原則的に農薬を使わず自然の恵みで育てた野菜です。また「放射性物質が含まれていない」ことや「遺伝子組み換え野菜ではない」ことも有機野菜の条件に含まれます。
 有機野菜は100%農薬を使っていないわけではありませんが、一般の野菜に比べて安全性は保障されています。


有機野菜のデメリットは

 有機野菜にはメリットしかないのか?と言われると、決してそうではなく、いくつかのデメリットがあります。

・値段が高い
 有機野菜は一般の野菜と比較するとおよそ3割高い価格で販売されています。その理由は有機野菜は生産に手間がかかることと、生産者の数も少なく流通量が少ないので、どうしても価格が高くなってしまいます。

・100%無農薬ではない
 現在は厳格な審査のもと「有機JASマーク」の野菜しか有機野菜だと認められないので、虚偽の野菜を掴む心配はありませんが、有機野菜は100%無農薬ではありません。政府のガイドラインに「化学肥料や農薬を避けて栽培する」とあるのですが、「政府に指定された安全性の高い農薬」の使用は認められています。
 即ち全く農薬を使っていないわけではありません。

・形がふぞろい
 農薬などを使わずに、自然の恵みで育てた野菜は、やはり形があまり良くありません。また、虫食いが少し多かったり大きさに違いがあったり、いわゆる「個体差」が多くあります。有機野菜を食べるなら、多少の虫食いや形の悪さは気にしないという考えをもつ必要があります。

・なかなか手に入らない
 有機野菜は価格が高く、生産するには大変な作業が必要です。
 そのため有機栽培をする生産者も少なく、全国で販売されている数は少なく、近所のスーパーに行っても有機野菜は売っていないことも少なくありません。
  また、特定の食材は手に入っても、自分が探している有機栽培された食材を見つけるのは大変です。流通量が少ないため、手に入らない、高いという大きなデメリットがあります。

・虫の混入がある
 有機野菜を買うと虫が混入しているケースがありますが、いくつかの対処法を挙げてみます。

  根菜類だけを買う
  虫の混入は、「ほうれん草」のような葉の野菜に混入しやすいので、それなら、人参やじゃがいも、大根といった、
  根菜類だけを有機野菜にすればいいのです。 このようなタイプの野菜には、虫は混入しようがありません。
  虫を処理するためのアイデア
  もし虫が入っていた場合は、「さいばし」や「ビニール手袋」を使って除去する。
  虫が入っていなくても、有機野菜を買ったときは
   ていねいに洗う
   数分間水につけ置きして付着した虫を落とす
   ゆでて付着した虫を殺す
というような作業をおこなうことで、少しでも虫との遭遇を避けられます。


その他の栽培方法との違い

 有機野菜の他に、野菜には「無農薬野菜」など、様々な栽培方法が存在します。
 無農薬野菜はその名の通り「化学肥料や農薬を使わないで栽培した野菜」です。
 化学肥料や農薬を避けて栽培されていることは事実ですが、「政府が認定した比較的安全な農薬」は使われている場合があります。
 逆に、有機野菜は「3年以上堆肥(有機的な安全な土)で耕した畑で作った野菜である」必要がありますが、無農薬野菜は去年大量の農薬を使って作った野菜でも、今年に農薬を使わなければ、無農薬野菜となってしまうのです。

・無農薬野菜と有機野菜との違いは
 有機野菜は「政府に指定された農薬」を使っている場合がある
 無農薬野菜は去年、農薬を使っていた畑で栽培されている場合がある
 有機野菜と無農薬野菜、どちらの方が良いかは一概に言えません。
何も標記されていない野菜よりは安全ですが、有機野菜や無農薬野菜だからと言って、必ずしも100%信頼できるとは限りません。

 有機野菜の購入は、信頼出来る食材宅配業者を通して行う事が無難なようです。また私達消費者も、安全な食材を見極める目を持つことも大切だと言えます。


「日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会」WEB記事引用


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本部 安藤研治
 
 
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