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協会だより
更新日:2015年4月6日
◇ 4月のおたより  ◇
 
4月に入りかなり気温が上がって来ましたが、日により気温がかなり変動しますので体調管理には気を付けましょう。今月は脳血管疾患の簡単な検査方法を取り上げてみたいと思います。

 眼を開けた状態での片足立ちで20秒以上バランスを取るのが難しい高齢者では、臨床的症状が無く健康な人でも、脳内の小血管の損傷や認知機能の低下が起きているおそれがあることが、京都大学付属ゲノム医学センターの田原康玄氏らによる研究で明らかになりました。
 「片足でバランスをとる能力は、脳の健康の重要なテストとなることを発見できた。片足バランスのとりにくい人は、脳疾患や認知機能低下のリスクが高いので、注意した方が良い。」と田原氏は述べてます。



20秒以上の片足バランスをとれない人は脳血管疾患のリスクが高い

 今回の調査は、愛媛大学病院抗加齢センターで実施している「抗加齢ドック」に参加した平均年齢は67歳の健康な中高年者1,387人を対象に行われました。
 参加者に目を開いたまま片足を上げてもらい、片足で立つことのできる時間を測定しました。測定では左右いずれかで行い、最長時間は60秒で、1人2回行い良い方の結果を分析に使用しました。

 また、参加者の脳の小血管の状態を核磁気共鳴画像(MRI)により検査を行い、ラクナ梗塞と微小出血などの、症状の出ない小梗塞である脳小血管疾患について調べました。
 その結果、20秒以上の片足バランスをとることができない人では、脳小血管疾患や認知機能低下のリスクが高まることが明らかとなりました。

 片足立ちのバランスをとりにくいのは、以下のような人でした。

・2つ以上のラクナ梗塞病変があった人の34.5%。
・ラクナ梗塞病変が1つあった人の16%。
・2つ以上の微小出血があった人の30%。
・微小出血が1つあった人の15.3%。

 脳小血管疾患のあった人は全体として高齢で、高血圧があり、頚動脈が厚く動脈硬化が進行していました。これらの変量を調整した後でも、脳小血管疾患があった人は、片足立ちの時間が短いという結果でした。片足立ちの時間の短さは、認知スコアの低さとも関連していました。つまり片足立ちの時間は認知症とも繋がりがあります。
 また片足で立つことの難しさと加齢に強い関連があることも判明しました。年齢が60歳以上になると、片足立ちの時間が明らかに短くなりました。


片足立ち時間は高齢者の「フレイル」(虚弱、衰弱)とも関連

 研究チームは、片足立ちテストは、一見健康そうな人であっても早期の脳梗塞などの病理学的変化と認知機能の低下を予測する簡単な方法であるとしています。姿勢の不安定性がみられる高齢者には、よりいっそうの注意を払うべきだとの見解を示しています。
  一方高齢者が機能障害や要介護に至るのを予防するために、生活機能障害をまねく「フレイル」(虚弱、衰弱)という言葉が近年注目されている。

 多くの高齢者はフレイルな状態を経て寝たきりや要介護に移行しますが、フレイルとは元に戻れないような不可逆的な虚弱・老衰状態を指すのではなく、適切な介助によって回復し得る状態をいいます。
 片足立ちテストはバランス能力の衰えをみるのではなく、潜在的な脳小血管疾患を調べるためのものですが、サルコペニア、立位動揺性、動脈硬化性疾患といった高齢者に多いフレイルティとも関連していると述べています。

「日本医療・健康情報研究所Web記事引用」



 なおフレイルを予防する方法は「タンパク質、ビタミンE、ミネラルを含む食事」と「ストレッチ、ウオーキング等の運動」と言われています。


 日本健康住宅協会では、この度第73回健康住宅アドバイザー試験合格者112名と第80回健康住宅アドバイザー試験合格者30名の受験番号をHPに発表致しました。合格者の方々心よりおめでとうございます。

 

本部 安藤研治
 
 
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