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協会だより
更新日:2017年9月1日
◇ 9月のおたより  ◇
 

 当協会の空気環境部会が数多く発信している情報にホルムアルデヒド関係は一番多くあります。
現実に改正建築基準法で24H換気やF4★の建材を床面積の規制なしに使える様にしたことはこのホルムアルデヒドの吸引を抑える目的が主となっています。

そんな時に興味深い記事を最新の健康ニュースで見つけましたのでご紹介します。
http://kenkounews.rotala-wallichii.com/posts_list/





有害物質ホルムアルデヒドは体内でも作られるが、
人体はそれすらも利用する

(2017年8月) 毒性の物質として知られるホルムアルデヒドですが、"Nature" 誌に掲載されたMRC分子生物学研究所(英国の国立研究所)の研究により、一部のホルムアルデヒドが人体の細胞の正常なプロセスの副産物として作り出されることが確認されました。

これまでにもヒトの体内でホルムアルデヒドが発生していると考えられてきましたが、どこでどのようにホルムアルデヒドが発生されているかは不明でした。


今回わかったこと
一炭素サイクル(one carbon cycle)と呼ばれDNAやアミノ酸など生命にとって不可欠なモノを作り出すうえで必須となるプロセスによりホルムアルデヒドが発生すること、そしてそのホルムアルデヒドから人体にとって有用な物質が作り出されることが明らかになりました。


一炭素サイクル
一炭素サイクルは生命にとって基本的なプロセスで、細菌のような下等生物にも備わっています。
一炭素サイクルでは葉酸塩(ビタミンB9)が用いられて、細胞が増殖したり機能したりするのに必要となるDNAや必須アミノ酸が作られます。
今回の研究では、培養した細胞を葉酸塩で処理してホルムアルデヒドが放出されることを確認しました。

あくまでも細胞実験の話なので、葉酸塩の摂取により体内でホルムアルデヒドが生じることを心配する必要はありません。
実験では、遺伝子改造によりホルムアルデヒドを処理する能力を失わせた細胞に大量の葉酸塩を投入しました。


ホルムアルデヒド → ギ酸塩
ホルムアルデヒドには毒性がありDNAを傷つけますが、今回の研究では、ホルムアルデヒドが特定の酵素によりギ酸塩と呼ばれる比較的無害な物質へと変換されることが明らかになりました。
さらに、ギ酸塩は一炭素サイクルに用いられてヌクレオチドの合成に寄与します。




発がん性があるとされるホルムアルデヒドの放散はゼロにすることは不可能に近いです。
その放散に対して効果のある行為は換気で排出と仕上げ材で吸着するのが得策です。
さていよいよ11月に開催される第85回健康住宅アドバイザー資格試験の受付が始まりました。
この試験は全国公開となっており今年は仙台と名古屋の会場を設けております。
どうぞお近くの会場にて是非この機に取得をしましょう!

 

本部 和田 伸之
 
 
<協会だより>
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