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協会だより
更新日:2019年8月1日
◇ 8月のおたより  ◇
 
これまでの光視環境部会の研究で夜間の照明を落としても色々なパイロットランプやバック画面の光で眩しさを感じストレスが起きるという活動結果を白書に纏めました。

そんな時に興味深い記事を最新の健康ニュースで見つけましたのでご紹介します。
http://kenkounews.rotalaallichii.com/posts_list/





夜間のブルーライトで血糖値が上昇し砂糖水を好むようになった

(2019年7月) オランダで開催されている "Society for the Study of Ingestive Behavior" の年に一度の寄り合いで発表されたアムステル大学などによる研究で、夜間にブルーライトにさらされたネズミは血糖値が上昇し糖類の摂取量が増えるという結果になりました。(出典: Blue light at night increases the consumption of sweets in rats



ブルーライトについて

ブルーライトとは380〜500nmという短い波長の光のことです。 この波長の光は青色に見えるので、「ブルーライト(青い光)」と呼ばれます。
ブルーライトを最も多く含むのは太陽光ですが、テレビ・PC・スマートフォンなどの電子機器の画面が発する光にも含まれています。

これまでに複数の研究で、テレビ・PC・スマートフォン・電子書籍リーダーなどの電子機器の使用時間が長いと睡眠の質が下がることが示されており、ブルーライトはその原因であると考えられています。

ブルーライトを目にすると体内時計が反応して体の覚醒度が増します。
ブルーライトはメラトニンという睡眠関連のホルモンを減らすことにより、この作用を生み出すと考えられています。
ブルーライトはipRGC(内因性光感受性網膜神経節細胞)と呼ばれる受容体を活性化させることによってメラトニンの分泌を抑制します。



既知の事柄

これまでの研究では、夜間に浴びる人工照明と肥満の間に強い相関関係のあることが示されています。 昨今では人工照明といえばLEDやLEDスクリーンですが、これらは大量のブルーライトを発します。 眼の網膜細胞はブルーライトに対して敏感で、ブルーライトによる刺激を食欲に関与する脳領域に直接的に送り届けます。



今回の研究

オスのネズミ(昼行性)の一群に夜間にブルーライトを浴びせかけて、翌日の食事量や耐糖能を調べたところ、ブルーライトを浴びせたのはたったの一時間だったのに、耐糖能に異常が見られ(糖尿病前症の兆候)、ブルーライト照射が無かった場合よりも砂糖水(*)を好んで飲むようになりました。
(*) 選択肢は、普通のエサ・水・ラード・砂糖水。この中から好きなものを自由に摂れた。



アドバイス

今回の結果から、夜間にスマホなどの電子機器を使用すると甘い物を食べる量が増えてしまう恐れがあると考えられます。
今回の実験でブルーライトを浴びせかけたのは1晩だけでしたが、こういう日が毎晩続けば体重が増えて糖尿病になってしまう恐れがあります。

研究者は電子機器の「ナイト・モード」やPCメガネを利用することを推奨しています。
ナイト・モードでは画面がオレンジ系の色調になるのでブルーライトの発生が抑えられます。







色々な講演会の中でも上質な入眠と覚醒は結構関心が高く、質問も多く受けることがあります。
人の活動の活力ともなる睡眠はこの協会でも大きなテーマのひとつになります。

 

事務局 和田
 
 
<協会だより>
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