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協会だより
更新日:2023年11月1日
◇ 11月のおたより  ◇
 
体感温度とは温熱環境の人の快適性を高めるに大きく関わる項目です。昨年度の温熱環境部会(東京)では、人の5感に関係し、この体感温度に影響を与える行為や行動が存在しると仮定し、研究活動を展開しました。
そんな時に興味深い記事を「ALL ABOUT」医療情報・ニュースで見つけましたのでご紹介します。
https://allabout.co.jp/gm/gc/464704/#google_vignette





温かい飲み物は体にいい? 熱すぎるとがんの危険因子に

熱い飲み物は危険? 食道がんリスクをあげるという報告も

「身体を冷やすのはよくない。できれば飲み物は、常温か温かい状態で飲むのがよい」という話は、健康情報でも美容情報でもよく目にするものだと思います。

一方で、「熱い飲み物で食道がんになりやすくなる」という話を聞いたことがある人も多いかもしれません。これはどの程度本当の情報で、どれくらいの熱さのものを指すのでしょうか? 国際がん研究機関(IARC)は、2016年、「非常に高い温度で摂取される飲み物」を食道がんの推定原因として分類しました。

1991年に「発がん性がおそらくある」と分類されていたコーヒーとマテ茶については、飲み物それ自体にがんを引き起こすという証拠は見つからなかったと報告されています。

この報告によると、「65℃以上の温度で飲み物を飲むことが食道がんにつながる可能性があり、コーヒーやマテ茶などの飲み物の種類は関係なく、重要な因子はその温度である」とのことです。

例えば、約70℃というかなりの熱さのお茶を飲む、中国、イラン、トルコ、南米では、がんのリスクが高く、60℃以下でお茶などを飲む欧州と北米ではがんのリスクが低いという様々な研究から示唆されています。



食道がんの初期症状は、飲み込み時の違和感やしみる感じなど

そもそも「食道」とは、口から胃までの間にある管で、食物の通り道になる部分です。食道の部分は食べ物が通過するだけですので、胃のように消化する機能などはありません。この食道にがんが発生するのが食道がんです。

食道の粘膜から発生するため、がんの部分に違和感やしみる感じが初期症状として見られます。がんが進行すると、食道の周りにも影響が現れ、気管支への影響からは、咳、血の混じった痰、声がれ(嗄声(させい))などが見られ始めます。また、食道自体も内腔が狭くなるため、食べ物の通過が悪くなり、詰まりやすくなったりします。食道がんの発生率は、男性が2%、女性が0.4%といわれており、男性の発生率の方が高いです。男性では年々増加傾向で女性では横ばいになっています。



危険因子は熱い飲み物だけではない? 食道がんリスクをあげる刺激物

2009年の日本の研究報告(Ishiguro S他 Cancer letter)によると、飲酒については、アルコールを飲まないグループに比べると、1日当たり日本酒にして1合以上飲むグループから食道がんリスクが上がり、1合から2合のグループで2.6倍、2合以上のグループで4.6倍高くなると報告されています。

日本酒1合と同じアルコール量を他のアルコール飲料で換算すると、焼酎なら0.6合、泡盛で0.5合、ビールで大ビン1本、ワインでグラス2杯(240ml)、ウイスキーではダブルで1杯になります。

逆に言えば、日本酒1合までなら、食道がんの危険性は少ないのです(もちろん、飲酒をしない方がよりよいともいえますが……)。

また、アルコールですぐに顔が赤くなる人も食道がんの危険性が高くなるといわれているため、無理に飲酒を続けるのは避けた方がよいでしょう。これは、飲酒により体内に生じるアセトアルデヒドが発癌性があるとされていますので、アセトアルデヒドの代謝が悪い人はすぐ顔が赤くなります。



タバコと食道がんの関係……喫煙指数が高いほどがんリスクはあがる

喫煙についても高いリスクがあります。非喫煙者に比べ、現在も喫煙している人は平均3.7倍も食道がんの危険性が高くなるのです。過去に喫煙していて、今は止めている場合でも、3.3倍高くなることが報告されています。

しかも、喫煙の本数と期間によって決まる「喫煙指数(箱・年)」が高くなるほど、食道がんの危険性が高くなり、喫煙指数が20未満で2.1倍、20〜29で2.7倍、30〜39で3.0倍、40以上で4.8倍になります。つまり、熱いもの以上に、喫煙自体が食道がんのリスクになるのです。



胃食道逆流症がある場合も食道がんリスクに注意

胃食道逆流症とは、胃酸が食道に逆流することをいい、逆流性食道炎は、胃食道逆流症によって胃酸が食道の粘膜を傷つけて、粘膜の炎症が起きてしまうことをいいます。この炎症が長く続くと、食道がんが発生することが報告されており、欧米で多く見られています。



食道がんリスクを下げる方法・有効な予防法

野菜や果物を十分に食べていれば、食道がんの危険性が下がることが報告されています。2007年の日本の報告(Yamaji T他 Inter J Cancer)では、野菜・果物の摂取量に応じて3つのグループに分けて調査した結果、野菜・果物の高摂取グループでは、低摂取グループに比べ食道がんのリスクがほぼ半減していたと報告しています。さらに、野菜・果物の合計摂取量が1日あたり100グラム増加すると、食道がんのリスクが約10%低下したとのことです。

これらをまとめると、野菜や果物をあまり食べずに、70℃以上の熱燗にした日本酒を1合以上飲む喫煙者は、食道がんリスクが相当高くなると考えられます。当てはまるものが多い人は生活習慣を見直すなどして、上手に健康管理をしていきましょう。






脳波に影響を与え、快適性を左右するこの現象を体感現象と名付けています。この体感現象は五感により、脳波に影響を与えますが、脳に対し誤認させる事なども含まれる所が、難しい部分です。ただ、この部分を整理する事で住まい手は正しい体感温度に向き合え、サーマルショックに対しての向き合い方が改善されます。

 

事務局 和田
 
 
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